腰痛 というと、昔はご年配の方の症状といったイメージがありましたが、最近は若い人にも多く見られます。
腰痛には「急性腰痛症」と「慢性腰痛症」と大まかに分けることが出来ます。
【急性腰痛症】
いわゆるぎっくり腰のことです。
ぎっくり腰は筋肉の引きつりが原因になっている場合が大多数で、日常的に疲労が溜まった腰の筋肉が、不意に伸ばされたり、捻られた事がきっかけとなり、痙攣を起こすように固まっている状態です。
鍼でその原因の筋肉を刺激し、筋肉の引きつりを改善すれば、早期に改善が見られます。
急性腰痛には椎間板ヘルニアの場合もありますが、その場合も、鍼灸治療は有効です。
【慢性腰痛症 】
仕事や日常生活で腰に負荷がかかっていると、慢性的な腰痛に悩まされることに。
また、以前に痛めた腰痛が何かの拍子で何回もぶり返している患者さんもおられます。
いずれも鍼灸治療で身体内部にアプローチし、筋肉をゆるめ、血流を良くすることで改善につなげます。
こうしてこわばった筋肉が柔らかくなり、痛みの軽減につながるのです。
【鍼灸治療の効果】
鍼灸治療は、私たちの身体に本来備わっている「自然治癒力」を引き出す治療法です。
針治療を行うことにより、身体にきわめて微細な「キズ」がつきます。
身体は組織の一部が損傷した場合、それを修復させるための反応が活発になります。
その際、一連の修復反応に関連して、周辺の血流が促進されます。
したがって、
ツボに針を刺す → 血行が良くなる → 悪い状態が改善される
という反応が身体の中で起こるのです。
「鍼灸が身体に良い理由」も合わせてお読み下さい。
ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症などの症状では、腰の痛みは相当なものです。
もともと腰痛は、人類が四本足から二足歩行をするようになって起こったもの。二足歩行の姿勢をとれば重力に逆らうことになり、負担がかかります。いわば、腰痛は人類の宿命病ともいえます。
当院でも、もっとも多いのが腰痛治療の患者さんです。
腰痛やぎっくり腰は未然に防ぐことがとても重要です。
寒い時期にはとくにからだを冷やさないことが重要です。
入浴はシャワーなどで簡単に済まさず、ゆっくりお風呂でリラックスしてからだを芯からあたためましょう。
普段の生活では、まず腰まわりを冷やさないこと、筋肉に疲れを溜めないこと、背筋をつけること、適度に運動し筋肉をほぐして緊張させないことなどが効果的です。
無理な体勢で作業をすることが多い方は、なるべく腰に負担のかからない姿勢を気をつけましょう。
天気の良い日は外に出て散歩やジョギングなど適度な運動をしましょう。
腰は動作の要。たびたび痛めるようになったらやっかいです。
腰に違和感を感じたら、早目にご来院下さい。